結婚の条件
フェミニズムの第一人者・小倉千加子著 朝日新聞社
少子化の原因とは晩婚化である。というのは、今はもう常識になりつつあります。だから、あほな政策で、保育所をどんなにふやそうと、子持ちには税金を優遇しようと、晩婚化対策をしないかぎり、少子化に歯止めはかかりません。
で、この本「結婚の条件」です。一番おもしろいのは、結婚相手に求める条件を男子学生・女子学生に分けて尋ねた項です。本の最後のほうから引用。
今まで、男子学生が書いた一番具体的な条件は、次のようなものであった。「僕は、相手の人に難しい条件は出しません。ただ、僕は肉じゃがが大好きなので、いつも肉じゃがを作ってくれる人が理想です。(中略)僕は、結婚に高望みはしていません。先生は、条件を三つ挙げるように言われたので、あとの望みをあえて探せば、やっぱり美人がいいです。あと、僕が帰ってきたときに家にいて待っていてくれる人、そうです、専業主婦がいいです。その女の人がどうしても働きたいと言ったら、働いてもかまいませんが、僕の給料でやっていってくれるなら、やはり家にいてほしいです」 こういう条件がものすごい高望みでなくてなんであろうか。
次に、女子学生の、結婚願望を紹介する。 「私が結婚相手に望む経済力は、そんなに大きなものではありません。ただ私と子ども二人が安心して暮らせる程度でいいのです。子どもに小さいときから習い事をさせてやりたいです。お金がないからといって子どもにみじめな思いをさせるのだけは絶対にいやです。そして、子ども二人を私立大学に行かせてやれるくらいの給料は求めます。月に一回は外食し、年に一回は外国旅行に行く。そういう程度の経済力です。私には玉の輿願望はありません。(中略)もちろん夫は真面目な人でないと困ります。ちっょといやなことがあると会社を辞めるとかされたりすると、とても困ります。それから、土曜日には子どもを連れて公園でサッカーしたり、川の堤防の下でキャッチボールしたりするのを、私は堤防の草むらに坐って眺めるのが夢です。それから、煙草を吸う人は絶対にお断りです。(中略)家族(子どもと私の両親)を大事にして、結婚記念日とかは絶対に覚えていてくれないといやです。あとDVとかして、暴力を振るう人ももちろんお断りです。(後略)」 言っておくが、これは学生の書いたものを合成したり、特定の個人のものを意図的に抽出したりしたものではない。みんなみんな、こう書いてくるのである。なんでここまで同じなのか、私が聞きたいくらいである。この女子学生の結婚願望を男子学生に紹介すると、教室中に「冬虫夏草」みたいな菌糸状のものが浮遊する。漠然とした怒りと不安めいたものだ。(引用終わり)
わっはっは。おもしろすぎ。少子化の原因とは、「身の程知らず」にあったわけです。考えてみたら、女性が望むような甲斐性を持つ男性などこの世では一握りだし、男性が望むような料理上手でやりくり上手な美女なんて、いるかどうかも怪しいです。
というような本を、いい歳こいた独身のおっさん(=わたし)が読んでいるところがキモいですな。ということで、自分自身をモデルに身の丈に合った結婚相手をシミュレーションしてみましょう。
おっさんの年収は微妙。ジドー文学者などという肩書きも怪しいぐらい遊んでる時間のほうが長い。だから、いい生活をしたけりゃ、女性自身も働いていなくては。女性は一般企業では、結婚退職はかろうじて避けられても、出産退職は避けられません。出産後も復帰できるような有利な職場は、よほど特別な専門職か、公務員のみ。おっさんは、まずくても料理はできるので、それを条件に働く女性なるものをひっぱってくるのがもっとも現実的な選択でしょう。
ズバリ。おっさんにふさわしい結婚相手は、「ずっと働きたい意欲をもつ、家事能力の低い公務員で、味覚音痴のブス」。 さあ、それを結婚相談所にさがしにいけ!
て、いくわけないじゃん。やっぱり一生独身かあ。
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